山水画(さんすいが)は現実の景色を再現した作品と、型による「創造された景色」を再構成した作品があります。いずれも自然の景観を描いた絵画です。
六朝時代に始まり、唐で大成された中国の絵画の画法が日本に伝わりました。
墨の濃淡のみによって描いた水墨山水と、群青 (ぐんじょう) ・緑青 (ろくしょう) などを用いて彩色した、青緑山水などがあります。人物画・花鳥画とともに東洋画の主要画題です。
山水画の中に数多く登場する漁師は、何者にもとらわれない自由な境遇の象徴であり、野に隠れた優れた人材の象徴、中国における理想郷「桃源郷」にアクセスできた唯一の存在として、文人の憧れという意味をもっています。